打ち捨てられた
透明の傘
淡く透きとおる
ガラスの涙


わたしは役に立てました?
たったのほんの少しでも
貴方を守ってあげられた?


しんしんと降る雨の原
真珠を飾ったツツジの木
倒れ伏した 透明の傘


たったのほんのひとときでも
わたしは貴方の助けになれた?


ずたずたに破れたガラスのドレス
折れ曲がった細い腕
泥にまみれた泣き笑い


弱いわたしでごめんなさい
助けになれなくてごめんなさい
お荷物になってごめんなさい


真っ白な空を見上げてる
透明な心のガラスの傘は
いつまでも
いつまでも
涙の雨に閉ざされて


貴方を守ってあげられなかった


踏みつけられて
鈍い音。
やがて静かに死んでいく
最後まで涙に濡れた目は





―――ごめんなさい……。





空の青を知らないまま、



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