騎士に捧ぐ唄
貴殿の手が握る剣に
幾人の血と涙が刻まれているのかご存知ですか
貴殿の向けた剣に貫かれた心が
感じている痛みをご存知ですか
貴殿の剣で傷つけられた心を見て
涙を流している者がいるのをご存知ですか
現実という戦場の中
生きとし生ける全ての命が戦士もしくは騎士である以上
全ての手に剣が握られている以上
悪いのは
斬り伏せられた心の弱さ≠ネのでしょうか
いずれは必ず何者かに傷つけられるのだ
剣を向けたのが偶々私であっただけに過ぎぬ=@と
貴殿は自己を正当化されるのでしょうね
返り血という名の憎しみにも気づいていないのですか
その血塗られた剣には目を向けてさえもいないのですか
…貴殿はご存知で無いのですね
剣に貫かれる痛みというものを
私は復讐に参りました
思い知らせて差し上げます
他人の痛みを理解できぬ騎士に
その行為の重さを知らぬ騎士に
《私を含め》
剣を握る資格は無いと。
「さようなら」
その剣の名は――
「貴殿はもうご存知でしょう?」
血濡れの雛菊 言霊の針
涙ト共ニ
英雄ヘ捧グ
>>