書きたいことなんて何にもないよ
悪いとは思うけれど
今はそれどころじゃないんだ
そんなことよりもさ
歌声だ
なんで君には聞こえないんだろうね
あんなに綺麗な優しい声が
泣いているのに
多分
どうしようもなく昔からだ
海の奥深く
風の彼方
夕焼けだけが知っている
目をとじて
簡単なことさ
ライオンなんていないんだ
最初から最後まで
目をとじて
て
(書きたいことなんて何にもないよ
割れてしまったしゃぼんだま
いつまで探しているのかな
空が食べてしまったのさ
煩く喚いたばっかりに
名前も忘れてしまったね
野に咲いた言葉で冠を創ろう
晴れの訪れを待って
きっと
耳を傾けてくれるよ
大丈夫、信じているからね)
*
(詩創作論課題:お題「縦読みを仕込め」)