うずくまった君はいつもいつも
涙を流すこともしないで
平らな目で時間を止めて
誰にも助けを求めずに
じっとじっと
耐えているんだ

はたはたひららら
春の雨が降る
ひたひたはららら
息が出来ないお魚みたいに
ぱくぱく歌うあぶくの唄は
誰にも届くはずもなく

ひら ひら
舞いゆる甘い香りに
聞こえますか?
甘やかなハミング
軽やかな手拍子
暖かい雨に髪を濡らして
踊ろうよ
愛しい貴女
泣きたいような悲しい傷に
触れたりなんてしないから

優しいワルツよりもきっと
小鳥みたいなステップで
僕はギターを奏でながら
貴女にひとつキスをするから

ねえ、歌って
愛しい貴女
貴女を苦しませるその傷の痛みを
どうかひととき子守唄に抱かせて
メルヘンみたいな春の雨の中で
一緒に踊りたいんだ
君がほんのひとときでも
悲しみを忘れられるように
そのまったいらな牢屋の中に
ほんのほんのちょっとでも
春の陽射しが射し込むように

貴女がほんのひとときでも
悲しみを忘れられるように




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