流れ続ける蒼を
留める魔方陣は海の底にたゆたい
絹に包まれた夢を見ている

未来なんて見えないのに
後から悔いる私の声が
遠い未来から聞こえてくるんだ

砂時計の中で
恋焦がれた空の手を掴もうと
雪のように舞い落ちる
時の粒子に埋もれながら

未来は過去に
過去は未来に

ひとり廻る砂時計


どうしても捨てることの出来ない
遠い日の縫いぐるみ
ほつれても 汚れても いなくなってしまっていても
抱きしめ続けているの
時の粒子に 埋もれても
棘のような視線から一人だけで戦うために

「意思を曲げられないのは」
「只の甘えなのでしょうか?」


流れていく蒼を
留めたいと泣き叫んでも
そんなことは夢の中の
呆れるような物語。


「流れていく蒼の先には」
「きっともっとすばらしい蒼の世界が」



未来なんて、わからないのに?







砂時計の中で
どうか今は時を止めた夢を
時の粒子に埋もれても
どうか今だけは幸せな夢を


「目が覚めたら」


いつかこの小さな砂時計を、
粉々に砕いて、
風に乗せて

永遠の空へ還そう。


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