うなだれる貴方に
私は
世界の素晴らしさを
貴方の素晴らしさを
いっしょうけんめいに
並び立てて 伝えた

そうだね
本当に、そうだね。

そう言って貴方は
寂しそうに笑った


枯れた井戸の底に沁みたような悲しみ


手を伸ばしても伸ばしても
触れるほどに
悲しみはどろりと
濁るばかり


ああ、私には貴方を救えないのだ


届かない
この歌も
凍りついた壁の
先の先


願わくは
せめて時の日差しが
あの悲しい残り水を
雨に還してくれますように



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