届かない声。
生まれない声。
どうすれば良いのか、それすらも、
指の間から零れ落ちる。

あまりにも儚い、
触れたらぱりんと割れてしまいそうな硝子細工が。
心を、震わせて、
声を殺して泣いている。

触れることなく、
悪い夢から呼び覚ますには、どうすれば良い?
抱きしめたらきっと、粉々に、砕けてしまいそうな。
あんなに、透明な。
大切な、

もしも砕けてしまったら、わたしは治してあげられるの?


価値観や基準の相違とか
考え方のすれ違い
たくさんの心の交差点で
たくさんの声が響く世界
重なってこそのハーモニー
分かっている、
そう、分かっている、
それでも、
悲しい声は、やっぱり、
ひとつでも、温もりに救われてほしいのです


この世界にいちゃいけない人間なんて
初めから
絶対に
いないんだ。



触れたら壊れてしまいそうな硝子細工が
声を殺して泣いている
怖いのは
抱きしめて、壊れること、それとも、
抱きしめて、拒絶されること?


あの心の中に、きっとわたしはいないでしょう。
かつてわたしも聞いていた、真っ黒な夢の子守唄。
あの真っ暗な闇の中で。

今の、わたしの中には、
ちゃんと?

大切という言葉の、擦れ違い。



届きますか。
祈り声は届きますか。
歌声が拒絶されるのが怖くて、
祈ることしか出来ないわたし。
他力本願と名のついた、
動くことの出来ないままに。
おせっかいと過剰介入と、身の程知らずと。
そう呼ぶべきことも、知っている。

それでも、あなたが。
あなたの痛みが、

救われたら、いいと。







『I think so.』
(私は そう思うのだ)


>>

inserted by FC2 system