いつの間にか迷い込んでいた 何処まで行っても終わらない迷宮


前へ進んでいるのか

後ろへ進んでいるのか

それすらも分からない



僕は何処へ進んでいるの? 光の満ち溢れる出口?

僕は何処へ向かっているの? 闇の満ち溢れる奈落?

――僕は何処にいるの?



右なのか 左なのか

正しいのか 間違っているのか


導となるコンパスを無くした僕は

いったいどうすればいい?






迷宮に迷い込んでいることすらも気づかなかった頃

ただ 自分のつまさきの向いている方向が

正しい方向なのだと

違うと疑うことすらなく

何も恐れることなく 歩いていた

今思えば なんて愚かで幸せだったのだろう


気づいたときには もう導は消えていた



何処まで行っても終わらないLabyrinth

進んでいるのか戻っているのか 何処へいるのか

それすらも分からずに

全てが信じられなくなって 僕は

気がついたら立ち止まっていた

前へ進めていないのではないかという

恐怖の闇に囚われて

自分の行くべき場所すら見失う



ねえ

誰か

僕は何処へ行くの?




全てが同じように見える迷宮の中で

進むべき方向を見失った少年

動けない恐怖に囚われて 自らそこにうずくまる


少年よ

全てが同じように見えるLabyrinthの中で

そこに映る導を見つけ出せ



自分を信じなくなったのはいつからだろう

信じていたのに失うことが怖くて

いつの間にか 初めから信じなくなった

そうすれば何かを失っても怖くなかったから


…僕はどうしたのだろう?

あの頃の真っ直ぐでキラキラしてた僕と違って

慎重で 物事を考えるようになったけれども

おかしいな

いつから僕は 何をなくしてしまったのだろう?




進まないことを恐れ 少年はそこへうずくまる

彼は後ろに下がることはない

前へと進むこともない

終わりの無い迷宮の中で

少年は

いつの未来に

導を見つけて立ち上がるのか


少年は気づけない

自らの求める導は


いつも自分の側にあることに





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製作…2006.1.23


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