やさしいひとの憎しみは
何処へ帰ればいいのです
憎しみは
誰の胸に帰れば

清廉な野の原に
歌い 歌われ
無垢な天使
優しい天使
悲しみも
怒りも
取り上げられ
その心の痛みは
誰にも届かず
じわ、じわ
ああ
いかないで
沁みて
しみて
こぼれる
誰も
誰か
誰が望んだ
無垢な幼子に
天使であれなどと

憎しみに抱かれた
かなしいひとに
やさしいひとなら
許してあげる?

その差し伸べた笑顔の裏にあるのは
やさしいさびしさであるように
どうか
そんな冷たいナイフで
何がしたいの



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