今まで進んでいた道を信じる事を忘れて
目の前で私を導いてくれていた光の手の存在を忘れて

真っ暗で、真っ暗な森の中へと、
身をひるがえして駆け出してしまったのはいつだったろう

迷い込んだことさえ気付かず、彷徨い
何かが違うということだけは分かっていて
何処に居るのか何処へ向かうのかも、見失い

迷ってなんかいない、と信じていた


そう、ここは森の中だった
私は、迷子になんてなっていなかったのに
光を気付かぬうちに手放して、道を逸れて迷子になっていたの
だけどそう、私はやっぱり迷子になんてなっていなかったの

帰ろう 帰ろう
あの光は、きっと今もあそこで待っている

この暗い冷たい森の中で、見つけた
道を逸れたからこそ出会えたものと共に

帰ろう


私は迷ってなんかいなかったの
森の中でさえもそう、迷ってはいなかったの
迷ってたんじゃない 光を忘れないようにする為の 旅だったんだ


もう大丈夫、もう大丈夫だよ
もしかしたらまた、気付かぬうちに森に迷い込むかもしれないけれど
その時もまた、君の光をもう一度思い出せば良いと

その森の番人は、笑ってくれた


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