追いかけて追いかけて追いかけた
最初はあんなに近くに見えていたのに、進めば進むほど遠のいていく

いっそ立ち止まったほうが楽かもしれない
いっそ手にしない方が幸せかもしれない

追いかけようと手に入る訳が――


「貴方は逃げるの?」


追いかけて追いかけて追いかけて
太陽が海の底に沈むまで 月が空の果てに昇るまで
追いかけて追いかけて追いかけたなら
逃げずに追いかけ続けたなら

時の彼方で
かみさま
ぼくに 微笑んでくれますか





希望の欠片はいつでも捨てられるのでしょう
それならそれは捨てなくても良いのでしょう?
それならそれはもう一度拾い上げても良いのでしょう?

年月に埋もれ忘れ去られた欠片
拾い集めて継ぎ合わせて
無くしたのならもう一度作ってみせましょう
風に吹かれるだけで回る くるくる回る羅針盤

確信得られぬ羅針盤
無意味なガラクタと嗤われようとも
その揺らめく針の彼方 何も得られぬはずはない

誰かが 待っている





神様、質問しても良いですか?


永遠に返事は 返ってこない。





この世に正しいことが一つしか無いのなら
この世に間違ってることが一つしか無いのなら

誰も愚かな争いなんてしないのでしょう。

戦うことは間違ってるの?それなら聖戦という言葉はなあに?
人を殺すことは間違っているんだよね?それなら英雄って言葉はなあに?

貴方は知ってる?貴方は、

間違ってるかもしれないんだよ?


(だけどね、そう、合ってるかもしれないんだよね)





…光を光を光を、光を
1等星など望みません 輝く光など望みません
ただ、この暗闇を切り裂く、微かな星を

いつまでも消えない 永遠なる微かな光を 望みます





翼を縛り付ける鎖を砕いて
広げられた翼は 青空へと羽ばたくでしょう
蒼空の向こう側
綿毛の雲が辿りつくその向こうへ

どこまでも、どこまでも――





落ち込んでいる時でも
それさえ笑い飛ばして

元気に空に手を振れるような
そんなひとに、なりたいのです

弱弱しく呟いた彼女のその空色の瞳が、
どれだけ強く見えたことか





過去に囚われるのではなく
自らの翼を押さえつけるのではなく
それすらも力にして
空に羽ばたけていけたら


いつか乗り越えられることを願って。





なぜ全てはいつか変わってしまうのでしょう。
なぜ時は流れるのでしょう。
なぜ全てはいつか死んでしまうのでしょう。
人も。世界も。思いも。貴方と私も。

気付いていたの。ずっと前から。小さな亀裂。時と共に広がり。
貴方は気付いていなかったけど。
砕けて。壊れて。ごめんね。ごめんね。ごめんなさい。
私は。もう。貴方の知る私じゃないんです。

さよなら。

あなたのしあわせを、みえないところからいのっています。





仮面に呑み込まれそうになって
私が私で無くなってしまいそうになって

夜風に散る涙は赤いけれど誰の目にも映らない

私が私で無くなる前に
外せない仮面に呑み込まれてしまう前に
ああ、それなら、私はいっそ、

「時間を止めよう」

左胸に小刀を突き立てた



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