寂しい寂しい夜空の底に
ひび割れた綺麗な水晶の欠片が
歪にぼこぼこ
光をきらきらと虹掛けて。

いつかに投げ捨てたその水晶を
そろりそろりと持ち上げて
頬を寄せて
ささやかなキスを。
抱きしめたらね、とくとくと、
鼓動を感じたような気がして。
孤独な孤独な欠片の水晶、
お前はこんなにも暖かい。

冷たく冴えざえと音の降る、
星空の下で、赤子のように
身体を丸めて、強く強く
抱きしめて。

ごめんね、
ごめんね、
大好きだよ、
でも、ごめんね。


ちっぽけな欠片は
胸にざくりと空いた穴を
やっぱり塞いではくれずとも
高い声でさらさらと
優しく歌って
くれました。




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