遠い空できらきら光る
眩しすぎる光に私は触れられないのです
焦がれて手を伸ばしても
焼け焦げてしまうことくらい知っている
焦がれてやまない光は
私を殺す以外の何物でもないことを知っている
そうして幾人の仲間が涙を流していったことか

愛しています、天上の光
光り輝くぬくもりを
ずっとずっと愛しています
だけど手は伸ばさない
その光に殺されてしまうことくらい知っているから
深海と天上
違う世界に属しているの
あなたといたいと願うことが
もう私の罪なのだから

ゆらりゆらりと優しく揺れる
水面の彼方の空の色
いつまでもきっと心の中に
愛しています、天上の光
誰にも知られないままに
自分にも悟らせないままに
貴方にも知られないままに

それが私の愛の歌


せめてこの胸が苦しいのは
海の涙の重みのせいと
笑って深海に沈めましょう

さようなら、天上の光
いつまでも
あのぬくもりを忘れない

この深海の底で
私の生きる蒼く沈んだ世界の中で
深海魚の灯す光
その中に一抹の夢を見て

さようなら、いつまでも、永遠に

波間の底から、誰にも聞こえないように
歌い続けています
この苦しみが溶けて海に還るその日まで
壊れかけたオルゴールのように
掠れた声でずっと同じ愛の歌を

さようなら
天上の光



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